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サヨナライツカ

2010年02月18日 22:22

友達に誘われて「サヨナライツカ」を観てきました。
中山美穂・石田ゆり子のタイプの違う美しさ、西島秀俊の肉体美、素敵でした。

登場人物の誰にもそこまで感情移入はできず、泣いたりとかはなかったけれど
やっぱり考えさせられる映画でした。原作を読んでみたいかも。

私が感じたのは、「男のずるさ」と「女の怖さ」。

男の都合良く手のひら返すあからさまな態度は、観ていて胸が苦しかった・・・

一番強烈だったのは、石田ゆり子演じる婚約者(ミツコ)役。
はまり役だと思う。静かな、張りつめた怖さ。
彼に対しては常に控え目で従順な女性。可愛らしく甘え、ほほ笑みを絶やさない。
美しくしとやかで、理想の女性像。

でも彼の浮気なんか承知のうえ。
密かに浮気相手をつきとめ、突然訪問し、あくまで上品に、冷徹に、
微笑みながら「消えてください」と言い放つ。

彼女みたいな女性は、心底、敵にまわしたくなーい!!!(笑)

”自分こそ愛されるに値する女である”
”自分こそ彼にふさわしく、選ばれるべき女だ”
そう断言し、ゆずらない自信。プライド。したたかさ。

こういう人は、欲しいものは手に入れる人生を送るのだろう。
それが本当の幸せに結びつくかどうかは別として。

全てを手に入れ、何も失わなかったように見える男(ユタカ)。
実は最終的には何も手に入れられなかったのは彼ではないかしら。
最後まで彼の「愛してる」という言葉には説得力を感じなかった。
「愛」の定義が違うのかもしれない。
  
ユタカとの結婚と理想の生活を手に入れ、プライドを守りぬいたミツコ。
そこには信頼も彼の愛もなかったけれど。
そして彼女の愛も、本当の愛だったのか私には分からないけれど。
彼女の孤独にも、原作は触れているのかな。

一生ユタカを待ち続け、独りで死んだトウコ。
美しくて奔放で強い女性の中に隠されたナイーブな心、悲しみ、孤独。
男が「お前は俺がいなくても大丈夫だろう」とか言い放ちがちなタイプじゃないかな。
本当はミツコより繊細で、愛を必要としているかもしれないのに。
一生待つほどの男か?!という点はさておき、その不器用さには共感を覚えました。

この映画の軸となる問いかけが
「人生最後の時、あなたは人に愛されたことを思うか?人を愛したことを思うか?」
というものだと思うのですが、皆さんはどうでしょう?

私は「愛したこと」を思うだろうな。
愛されたことより、自分が愛したこと、愛した人達のことを思う。
人って、そういうものじゃないでしょうか。

最後に、改めて思ったこと。
「愛してる」や「ありがとう」は、”いつか”じゃなくて、”今”言おう。
いつか幸せになる、じゃなく、今、幸せになろう。




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